診療が終わり、医局勉強会を行い、2階で一息ついていると、玄関フォンが鳴った。
モニターを見ると、見覚えのある顔が映っていた。
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玄関を開けると、初代予防専属衛生士の竹田(旧姓;小池)さんであった。
年賀状でのやりとりは続いているが、実際にお会いするのは超久しぶりである。
丸山歯科の予防専属システムは、竹田さんと森さん(現在育児休暇中)の2人でスタートした。
今でこそ、患者さんにも予防の重要性と必要性が浸透して来たが、当時はまだまだであり、不安の残る中でのスタートであったのが思い出された。
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さて、わざわざ20周年おめでとうございます、と訪問してくれた。
都合により20周年記念パーティーには出席できなかったが、こうして来てくれるのは大変嬉しいことだ。

竹田さん、ありがとうございます。
今、丸山歯科があるのは、竹田さん達の努力のお蔭である。

さて、今年のGWは、休み全てを費やし、家中の掃除および断捨離を敢行しようと、強い決意でかみさんと臨んだが、想定外の量があり、遂行は失敗に終わった。
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最大の難敵は、屋根裏部屋である。
20年前の開業時に1階を診療所、その上に屋根裏部屋を作った。
カルテ、模型、材料などの倉庫的な役割を考え、出来るだけ大きくというオーダーで作ってもらった。
その要望に応えてくれ、結構な大きさの屋根裏部屋が完成した。
取り敢えず、そこそこ大きな本棚を10個、クリアボックス(衣装ケース)も数十個購入した。
しかし、まだまだ空きがあり、私自身の思い出の品々、使わなくなった机、椅子、息子の洋服、保育園、小学校、中学校で使った物、更には、使用しなくなったタンスやら、読まなくなった本やら、使用しなくなったフライパンまで、ありとあらゆるものを、いつか使うかも・・・・という淡い期待、いや甘い期待から、次々と詰め込んだ結果、ゴミ屋敷と化してしまった。
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今や、開かずの間となった悪魔の巣窟とでも言うべき、秘密の部屋に潜入する日が遂に来た。
最後まで残しておいた、いや最後まで入りたくなかった部屋である。
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部屋に突入する間際に、かみさんがアドバイス。
「思い切って捨てちゃって・・・・・・、ここ2年間使わなかった物は、今後も使わないから、使えるもんでも〝全捨て” だからね。」
「あいよっ!!」
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迷ったら取って置く派の私と
迷ったら迷わず捨てる派のかみさん。
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小学生の頃から、収集癖のあった私。
苦労して収集した血と汗と涙の結晶とでも言うべき物が、次から次へと出て来た。
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まずは仮面ライダーカード。
ラッキーカードが出るともらえたライダーカード入れに、番号順に綺麗に並べてある。
これは2年間どころか、40年近く使っていないので、かみさんの法則からすると〝捨て”となるのだが・・・・・・・・・悩んだ挙句、最初という事で・・・・・・一時保留。
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その他の物は思い切って、段ボールに詰め込んだ。
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そして、スライド式の本棚の後ろの隠し棚からは、ビデオテープがお目見え。
これも、私にとってはお宝であり、高校時代の青春の思い出である。

そ~~っとスライドさせると・・・・・・

思い出深いビデオテープが出て来た。
ほぼ高校時代の金曜夜8時からのTV番組の録画モン。
金曜夜8時と言えば・・・・・・古館伊知郎の実況中継による新日本プロレスリングである。
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当時はVHSテープは高額であり、高校生のおこづかいでは大きな出費であったが、他の物を全て我慢してでも保存して置きたい番組であり、生放送と言うのが何よりも増してアドレナリンを放出させてくれた。
テープライターの文字を見ると・・・・・・・
蔵前4対4、IWGP決勝戦、猪木・ラッシャー木村血だるまKO、巌流島の戦い、藤波辰巳vs長州力、UWFvs新日本、猪木vs木村・浜口・寺西(1対3)、ダイナマイトキッドvsタイガーマスク・・・・・・・・・。
どの試合も、いまだに鮮明に記憶に残っている。

全て記憶に残っているし、ビデオテープだし・・・・・・・これはポイッである。
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プロレスそしてアントニオ猪木という人物・・・・・・・
これ程、熱狂した物、さらには熱烈なファンになった人物は、いまだない。
おそらく今後の出てこないだろ~~。
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高校の同級生のI・H君、H・K 君、H・M君と私の4人で鈴与体育館でのIWGPの試合は一番の思い出である。
アンドレ・ザ・ジャイアントのでかさにはビックリした。
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新日本プロレスと言う株式会社の社長がアントニオ猪木、副社長が坂口征二、そして社員が大勢いる。
そして、外国からの契約社員と共に、全員が同じ大型バスに乗って日本全国の会場を回る。
所謂、巡業である。
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選手、いや社員にとっての仕事は、会場にバスが着いた時から始まる。
計算尽くめの仕事の始まりである。
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会場に横付けされたバスからは、若手から順番に降りて来る。
御存じの通り、社員には、それぞれに役が割り振られる。
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簡単に言うと、良い者と悪者に分かれる。
会社から役を言い渡されたプロレスラーと言う名の役者である。
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悪者役を言い渡されたレスラーは、本当は良い人であっても、バスの中からテンションを挙げ、鞭やらチェーンやらを振り回しながら、思いっきり作った悪役の悪そうな顔をして出て来なければならない。
仕事である。
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また、敵対関係に設定された2人は、同じバスの中ではおそらく和気あいあいに仲良く乗って来たのに、ファンの前では、険悪振りをアピールしなければならない。
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新日本プロレスと言う名の劇団の全国ツアーと言っても過言ではないだろう。
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でも、でも、でも、筋肉馬鹿同志の戦いは、十分に観るに値する。
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当たり前だが、チャンピョンはアントニオ猪木、いや新日本プロレス株式会社社長である。
社長vs社員だから、結果は見えていると言う方が大半を占めていたが、私は、当時は勿論、今でも猪木は実際に一番強かったと確信している。
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ま~~、当時の猪木プロレスを語らせたら、1週間しゃべり続ける自信はあるので、今日はここまでにしておく。
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・・・・・さて、プロレスのVHSを断捨離してから、何かが吹っ切れ、一気に断捨離が加速した。
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一度い~~から、猪木と飲みたいもんだ。
猪木もいい年である。
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ネットで調べて見ると・・・・・・・・・
猪木を呼ぶのに掛かる費用は、〝150万円~応相談” とあった。
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で・す・よ・ね~~~!
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物の価値、物の値段って、本当に面白い。
需要と供給のバランスで決まるのだ。
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サマージャンボでも当らんかな~~~と本気で考えてしまった私である。
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同じ人間でも、こ~~も価値に差があるのは、生きて来た道の差であろうか。
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自分で費用を出さないと、誰も飲んでくれない私とは、ったくの大違いだ。
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断捨離について書こうと思ったが、ついつい猪木の方向にそれてしまった。