48才。
男性は8の倍数で体の変調が起きるというCMがあった。
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今年は年初から、それを意識して、良い方向へ変調が起きるようにと自重してきたつもりである。
夏には、人生初のトライアスロンにチャレンジしたのもその一環である。
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そして今年最後の〆は、第1回大会から出場している「しまだ大井川マラソン」。
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大リーガーのイチローは、同じ時間に球場入りし、同じ時間にストレッチを始め、同じ時間に・・・・・・・をず~~っと続けているという話は有名である。
毎回、毎回、同じ動作を繰り返すことにより、体も自然に同じ時間にスイッチが入り、試合開始時間には、自然に最高の状態に仕上がるようになるらしい。
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それに習い、大会前1週間は、いつも同じ様に過ごす事にしている。
1週間前から、禁酒、禁チョコ、禁お菓子・・・・・・・・。
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大会当日も、昨年と同じく、5時に起床し、5時30分に朝食。
朝食内容も同じく、炊き立てご飯に生卵をぶっ掛け、昨晩の残りのスイトン汁に餅を3個入れて、牛乳コップ1杯を飲む。
車で言えば ”ガソリン満タン” といった所である。
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昨年と全く同じ時間、午前7時10分に家を出た。
気分はイチロー。
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7時50分ストレッチ開始。
これも昨年と同じ時刻である。
30分のストレッチを行い、スタート地点に向かう予定。
タイムスケジュールは、頭に叩き込んでおいた。
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心拍数はいくつくらいかな~~?
左腕のGARMINの画面を見る。
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????????
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!!!!!!!!!!!!!
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な・な・な・な・ない。
GARMINの時計が無い。
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ない・ない・ない。
何回見ても無い。
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冷静になり記憶を辿る。
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左腕にはめた記憶が無い。
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という事は・・・・・・・・・・・・。
自宅にあると言うことだ。
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や・ば・い。
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GARMINの時計無くして、フルマラソンは考えられない。
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まだ間に合う!
速攻で帰宅!!
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8時35分、ストレッチなしで整列することにした。
間に合っただけで良しとしよう。
心拍数は87。
緊張しているようだ。
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9時ジャスト、約9200人が島田市役所前を一斉スタート。
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天候はまずまず。
前半の20キロは緩やかな下り坂。
後半は緩やかな上り坂である。
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前半は体力もあり、筋肉疲労もなく、かつ下り坂。
スピード注意であることは十分に理解していた筈だが・・・・・・・・・・・・。
冷静さが失われていた。
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いつもと同じ動作ができなかったからだろうか?
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予定より1キロあたり7秒ほど早いペースだが、苦しくもなく快適であるので、予定とは違うが、まっいっか。
何とかなるっしょ。
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後になって考えると、完全に冷静さを失っていた。
後半、大失速することになることを、この時は知る由もなかった。
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さて、沿道では、チャレンジスイム1500で一緒に練習してもらっている仲間の応援、患者さんの応援、近所の方の応援、戸塚夫妻の応援に大変勇気づけられた。
応援はやはり、何よりのエネルギーになる。
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28キロ過ぎ、予想外の筋肉疲労。
25キロ辺りから、初老と言っては失礼か、明らかに70代の鉢巻をした男性ランナーが一緒である。
このランナーには負けたくない。
そう思った。
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抜くと、必ず抜き返して来る。
クソ~~~っと思い、給水の場を利用して抜き返す。
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暫くすると、私の真横から抜き返して来る。
完全に意識しているのが分かる。
いつしか、このランナーをライバル視するようになった。
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向うのランナーは、この若造には負けんぞ!と思っているのだろう。
そ~~なれば、こっちだって・・・・・・。
抜きつ抜かれつのデッドヒートが続く。
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30キロ地点で、GARMINを見ると心拍数174。
レッドゾーンである。
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や・ば・い、苦しい。
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「フルマラソンは、30キロから。30キロまでは寝ています。」
藤原選手の名言である。
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勝負の30キロで足が止まった。
思うように足が前に出ない。
完全にペース配分ミスである。
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3時間20分の夢は諦めることに・・・・・・。
目標変更。
目標は3時間20分切りから、鉢巻の初老にランナーに勝つ事に変更。
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僅かに残った気力を振り絞る。
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35キロ過ぎ、ラスト7.2キロ。
この7.2キロの長い事、長い事。
前半は1キロ毎の距離表示板が、あっと言う間に目に入る。
しかし、35キロ過ぎの次ぎの1キロ表示板が目に入るまでの時間の長さは嫌になる。
走っても走っても前に進まない感覚である。
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もう1キロ走っただろうとGARMINを見ると、まだ300Mくらいしか走っていない。
まじかよ~~、と大声を出したくなってしまう。
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鉢巻の初老のランナーとの距離が段々離れて行く。
クッソ~~~。
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またしても目標変更。
本日二度目の変更である。
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ライバルに勝つ事から、最低目標の自己記録更新に目標変更。
しかし、このペースでは危ない。
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38キロ当たりの給水所で、鉢巻のライバルを発見。
膝に水をかけている姿が目に入った。
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元気が出てきた。
遂に追いついた。
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私も苦しいが、ライバルも苦しそうである。
しかし、このライバルのランナーに対する声援は凄かった。
どこに行っても、「見て、見て、あの人、すごいね~~」という声が聞こえる。
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また抜きつ抜かれつのデッドヒートが続く。
ペースは失速しているが、お互い様である。
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40キロからが勝負だ。
最後のスピード勝負は負けんぞ。
そんな何の根拠もない自信が私にはあった。
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強いて言えば、”根性” であろうか。
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40キロ表示が見えてきた。
ラスト2.195キロ。
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ライバルを抜いた。
このまま差を広げる算段であった。
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しかし、さすがは白ゼッケンのライバル。(私は青ゼッケン)
直ぐに抜き返して来た。
そのまま、私をあざ笑うかの様に徐々にスピードを上げて行くではないか。
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マ・ジ・カ。
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必死でくらいつこうともがくが、差は広がる一方。
参・り・ま・し・た。
”根性戦” での敗北である。
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私が遅れてゴールした時には、そのライバルはゴールの所で倒れていた。
そのまま係員に抱えられながら移動していた。
そこまで追い込んで走ったという根性に完敗宣言。
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私の結果は、苦しみながらも何とか1分だけ自己記録を更新。
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二度も目標変更するという不本意な結果で、悔しさが残るレースであったが、良い勉強になった。
自己記録更新の最低目標は達成できたから良しとしよう。
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来年は必ずリベンジを・・・・、そう心に誓った。
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さて、レース後は、恒例の蓬莱の湯に・・・・・。
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同じジェネレーションのおっさん仲間が、同じ距離を走り、同じ疲労感を共有し、同じ風呂場で裸の付き合い。
その後は、同じ酒場で乾杯!
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90分間の飲み放題。
しばらくぶりのアルコール。
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五臓六腑に染み渡る、とはこういう時に使う言葉であろう。
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今日は、何も気にせず、食べたい物を食べたいだけ、飲みたい物を飲みたいだけ。
至福の時である。
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二次会は、政井先生と、仕事の話。
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大学の2級先輩の鈴木一先生自己記録3時間14分台を破るのを、最終目標に掲げて来たが、さすがに、無理かなっと思うようになった。
所で一先生、メガネケースを居酒屋に忘れていましたよ。
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次回、お会いする時にでも、持って行きます。