朝9時汗びっしょりになり熱くて眼が覚めた。
完全夜型の丸山家の休日の朝は遅い。
誰かが起きる音がすると、2階に居るルパンが自分の存在を強烈にアピールする。
ピョンピョン飛び跳ねる音が家中に響き渡る。
体も大きくなったルパンは飛び跳ねるとサークルから体が半分ほど出るようになった。
ルパンをサークルから出し、1階の玄関に朝刊を取りに行く。
ルパンも尻尾を左右に振りながら着いて来る。
いつもの光景だ。
2階のリビングに戻り新聞を開くと「冷やしラーメン」の折込み広告が眼に留まった。
うまそうだ。
食べたいと思った。
今から食べに行くぞ!
そう決めた。
一度やってみたかった ”朝ラー” である。
店は前々から気になっていた 島田の「燕」
ここは朝6時30分から始まり午後3時に閉店だが、スープが切れたら店が閉まると聞いていた。
時計を見ると9時30分、まだ間に合うだろう。
「おーい、朝ラー 行くからみんな着替えろ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
家族の反応は極めて薄い。
そりゃそーだよなー、急に親父の気分で 朝からラーメン行くぞなんて張り切られても、オーなんて乗れないよな~。
朝から元気なのは 私とルパンだけのようだ。
でも、さっき私は心の中で行くと決めてしまったのだ。
私の心は決してぶれない。
「行くぞー、早くしろ~。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・、10時から英語のレッスンじゃないの~?」
冷静沈着なかみさんの一言。
・・・・・・・・そ~だった・・・・、わ・す・れ・て・い・た。
「朝ラー 改め 昼ラー。」
気持ちの切り替えは早い方だ。
昼ラーを堪能するため、とりあえず果物を口にすることにした。
11時に英語が終わり、いざ昼ラーへ。
あまり、いや全く乗り気ではない3人を従え、車で燕へ。
国道一号線沿いにあることは聞いていたが、場所は分からない。
とりあえず行ってみることにした。 ”行けば分かるさ。”
藤枝から島田へ一号線を流す。
あった?????
どうやら通り過ぎてしまったようだ。 ”行っても分からなかったようだ。”
冷静な かみさんが携帯で住所を検索し、カーナビに入力。
しかしカーナビに従い近くに来てもラーメン屋らしき建物は見つからない。
またもや通り過ぎた時、ちっちゃく麺屋って書いてあったよ、と長男。
建物には何も書いてなく駐車場の入り口に小さく電光掲示板があるだけだった。
しかし駐車場は一杯で、外にも人が並んでいるではないか。
期待特大である。
回転が速いせいか、思ったより早く食にありつけた。
私とかみさんは冷やしラーメン&しそ餃子を、息子は塩ラーメン、醤油ラーメン&しそ餃子を注文。
朝ラーの店だけあり、味はかなり あっさりしていた。
夕食では物足りない味である。
今日は 昼飯なので、やや味に物足りなさが残ったが朝なら丁度いいかもしれない。
次回は朝6時30分の朝ラーに挑もう、そう決めた。
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朝6時 「お~い、朝ラーに行くから着替えろ~。」
「・・・・・・・・・ウ~~~ン・・・・・、父さん独りで行って来て・・・・・ス~~~ス~~・・・・」
ノストラダムスならぬマルヤマセイジの大予言。



