まるしまのおにぎり
静岡駅南口を出て直ぐを右折すると、徒歩1分くらいの所に、「まるしまのおにぎり」なる店がある。
呼んで字の如し、おにぎり屋さんである。
おにぎり屋から駅方向を向くとこんな風景である。
新聞等でこの店の存在は知っており、幾度か、かみさんが近くに行った時は買ってきてくれた。
昭和38年創業、今年で50歳になる老舗である。
朝6時30分開店、仕事に行くサラリーマンが良く利用しているらしい。
私も一度、ここで朝飯を食べてみたいと思っていた。
サラリーマンからしたら、自宅で朝食を食べ、自宅と仕事場が一緒というのは羨ましいかも知れないが、私には、通勤前に ”まるしまのおにぎり” を食べ、会社に向かうというのは、少し憧れる所がある。
ないものねだりだろうか。
以前から、ず~~っと行きたいと思っていたことであり、昨晩、無事高校の卒業は出来たらしい二人の息子とかみさんと家族4人で行くことに決めた。
家族をキッチンに呼び、「明日朝、7時起床、皆で、まるしまのおにぎりを食べに行くぞ。」と伝えた。
朝7時、私は よ~~し、まるしまに行くぞ!と元気に気持ち良く起床。
リビングに行くと、息子はまだ居ない、ベットの中で熟睡中であり、起きてくる気配が全くない。
かみさんはかみさんで、私の顔を見るなり「私は、洗濯を干したり、いろいろとやることがあるし、ルーちゃん(ルパンのこと)が居るから、3人で行っておいで。」と先制攻撃。
3人は、どうやら、まるしまへ行く気満々、かなり楽しみにしているようだ。
そ~~か、かみさんも行きたかろ~に、でも洗濯があるんじゃ行けないな~~、かみさんには悪いが、じゃ~~お言葉に甘えて、・・・・・・、無理矢理、いや優しく自然の流れで息子を起こし、3人で車を走らせた。
ルンルン気分の私。
後部座席の二人をバックミラーで見ると、能面の様に無表情で、半分寝ている様だ。
ど~~やら、息子もルンルン気分の様だ。
そりゃ~そ~~だろ~~、休みの朝に、気持ち良く寝ている最中に起こされ、なんでわざわざ静岡まで、それも、おにぎりを食べに行かなければならないのかっちゅう話だ。
それも可愛い彼女とならともかく、親父と男3人で・・・・・・・なんでだっちゅう話だ。
ま~~、これも人生修行の一環と思ってくれればい~~、人生こんなもんである。
社会人になれば分かるが、社会に出てみれば、これくらいのことは屁みたいものである。
さて、わたしは 昆布おにぎり、味噌汁、おしんこ、それにおでん(卵、大根、昆布、こんにゃく)4本を頂いた。
よ~~し、今から働くぞ!って気持ちになれた。
3人で1260円。
「また来よ~~な。」
私のこのお誘いに、二人がどんな表情をしたかは、ここで敢えて書くまでもなかろう。