思い込み
人間の脳って誠にいい加減である。
勝手な想像をして、あたかもそれが真実な様に思い込んでしまう。
初体験な事は、やった事もないので、やってみるまで全く分からない筈だが、脳が想像してしまう。
いわゆる ”思い込み” である。
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さて、今日、エコ・マネージの藤田さんが、自転車初乗りに付き合ってくれた。
勿論、コーチとしてである。
早朝の100キロ走をしてから、教えてくれることになった。
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「丸山先生、初めてですから、軽く静岡空港までの往復くらい行きましょうか?」
「お願いします。」
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藤田さんは、100キロ走ってきたばかりで、体力はさほど残っていない筈だ。
(勝手な、思い込み①)
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静岡空港までなら、普通にジョギングで往復している距離である。
しかし今日は、メカでの走りである。
フルマラソンも経験しているし、ま~~~正直、楽勝だろう。
(勝手な、思い込み②)
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自転車でのお散歩気分で、いざ出発。
(自転車を舐めきっていた甘い思い込みのまま・・・・・・・).
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この後、手痛い洗礼を受けることになるのを、この時は知る由もない。
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まずは、富士見橋。
容赦ない強い横風・・・・
自転車毎、吹っ飛ばされそうである。
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いよいよ、静岡空港への坂道。
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向かい風の上り坂。
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100キロ走ってきたばかりの藤田さんが私の前に位置し、風よけの役を担ってくれている。
前から、ギヤーチェンジのタイミングから、ブレーキのタイミングをジェスチャーで教えてくれる。
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長い長い上り坂、大腿四頭筋が悲鳴を上げ始める。
乳酸が蓄積し始めているのが分かる。
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ランなら、スピードを緩めれば良いが、自転車の場合、スピードを緩めすぎると倒れてしまう危険があるので、漕ぎ続けないといけない。
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「頑張りましょう!きつかったら、腰をあげて体重を前にかけて・・・・・」
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藤田さんとの距離がどんどん遠くなってくる。
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藤田さんが前にいないので、向かい風がもろに私の体にぶつかり、さらにまだまだ続く上り坂。
前に進まない・・・・・・。
息は上がるは、筋肉は悲鳴を上げるは・・・・・。
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藤田さんが、化け物に見えてきた。
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休みたい。。。。。心が折れそうになると、それを見透かしたように
「ここが頑張り時です。頑張りましょう!もう少しです。」
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もう少しって、私の目には、延々に続く坂道が見えているんですけど・・・・・・・・・。
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やっとのことで、平坦な道になりホッとすると、直ぐにまた上り坂が・・・・・。
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マ・ジ・か!
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藤田さん、もう無理っす、休みましょう!と泣きの一言を言おうと思った瞬間、これまた見透かしたように、
「丸山先生、男ですね~~~。流石です!たいしたもんです。」
と先手を打たれる。
それも、「男」 という私の心のスイートスポットをズバッと突いて来る。
男と言われたからには、泣きを入れる訳にはいかない。
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あまりに距離が離れたため、藤田さんは自転車から降り、写真撮影をしてくれた。
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そのまま帰ると思いきや、粋な計らいで、牧之原を回って帰ることに・・・・・・・。
山・山・山・・・・・・・・・。
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自転車の大先輩からの、初乗り祝いの歓迎の意のこもった洗礼を頂戴した。
約2時間の初乗りであった。
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私は丸山誠二、イニシャルはSMである。
人をしごいて、ヒーヒー言う顔を見るのも嫌いではなく、
自分が、ヒーヒー言うのも嫌いではない。
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藤田さんとご一緒して、藤田さんにも同じ匂いを感じた。
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しかし、皆さん、何事も ”思い込み” には要注意ですよ!!