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2016年3月28日 (月)

久しぶりの往診

診療中、以前、当歯科医院に通院してくれていた患者さんの息子さんから電話があった。

息子さんと言っても私より年上であり、患者さんでもある。

往診依頼の電話であった。

往診は、通院が困難な要介護の患者に限り適応されている地域医療サービスである。

症状を聞くと、歯茎が腫れてきたので診て欲しいと言う。

早めに来てほしいとの希望だったので、「どんな状態か、状態だけ診に行きます。」と返事をし、今日の診療後に予定していた用事が諸事情により無くなったので、早速、診療後にお邪魔することにした。

往診は久しぶりである。

以前は、よく行っていたが、内科などの医院に通院している場合は、歯科も通院可能と判断され、適応外となってしまったので、すっかちご無沙汰となっていた。

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さて、今日の依頼患者さんは要介護度4(重度介護状態)であるので、保険適応である。

往診セットを用意し、いざ出陣!

P1030635

住所をカーナビに入れ、出発。

2軒ある家の前でカーナビの案内が終了。

家の前にある庭に車を停めさせて頂き、往診セットを持ち、玄関の前に立ち、ピンポ~~ン!と玄関ホンを鳴らした。

「ハ~~イ!」と奥から女性の方が出てきて、玄関の鍵を開けてくれた。

「〇△さんの往診に来ました。」

「はいっ?」

「・・・・・・・・・〇△さんのご自宅ではないですか?」

「違いますけど・・・・・・」

「すみません、間違いました。失礼しました。」

疑うことなく決めつけてしまった・・・・・・。

急いで撤収し、一旦、道路に出て、カーナビで再確認こn。

微妙だが、隣の家の様だ。

今度は、恐る恐る玄関前の庭に止めた。

すると、庭でくつろいでいる若い男性がいたので、恐る恐る小さい声で

「こんばんは、ここは〇△さんのご自宅でしょうか?」とお聞きした。

「そ~です。」

ふ~~~、良かった。

今度は、いつもの大きな声で

「往診に来ました丸山歯科医院の丸山です。」とご挨拶。

かくして、無事、往診が始まった。

〇△さんとも久しぶりの対面であった。

元気そうだったが、顔を見ると、左右非対称で左側が外からも明らかに分かる程、大きく腫れていた。

早速、お口の中を診させて頂くと、切開して膿を出す必要がありそうだ。

しかし、義歯が当たって傷がついて腫れている状態を想定していたので、義歯を削る機器を持参したが、切開する準備はしていなかった。

取り敢えず、血圧測定を行い、お薬手帳で服用中の薬を確認し、麻酔ー切開 という方針を立てた。

ご家族の方に、説明をして、麻酔とメスを取りに帰ることにした。

久しぶりの往診なので、準備不足であった・・・・・・反省。

しかし、無事、膿を出し、患者さんの笑顔、ご家族の笑顔を頂けた。

患者さんの喜ぶ顔は、医療者の活力になる。

いろいろと想定外の事態が生じたが、気持ち良く帰宅することができた。