ようやく停戦
これ程長いと感じた一年は、子供の時以来である。
長かった。
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我が家の戦争が、ようやく終わった。
一年前、兵隊として二人の息子を、東京という名の戦場に送り出し、受験という名の戦争を息子なりに戦って来た。
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結婚してから、これほど、かみさんのタメ息を聞いた一年はなかった。
受験という名の戦争は、家族をも巻き込む戦争なのだろうか?
能天気に、走ったり、泳いだり、こいだりしている私は例外なのだろうか?
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いや、いや、走ったり、泳いだり、こいだりして、ストレスを発散していたのだ。
私なりのタメ息?と理解してもらえれば、私の人間性が疑われずに済むかな・・・・・・・・。
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しかし、この一年を振り返り、息子も成長したし、親である私とかみさんも成長した。
いろんな意味で・・・・・・。
世の中の厳しさも知ったし、優しさも知ったし、自分の思い通りにはなかなかならない・・・・・・・・・いろいろな事を学んだ。
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人生、嬉しい事も、悲しい事も、全て勉強である。
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私としては、歯科医師という後継ぎが途絶えたことは、誠に遺憾であるが、男たるもの、自分の行く道は自分で切り開くのもよかろう!
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何はともあれ、停戦が確定し、昼休み、大きく一つ深呼吸をして、布団をかぶって、うたた寝に入るかみさんを見た。
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人生80年とすると、息子にとっては、80キロのウルトラマラソンで言う19キロ地点である。
マラソンの本領が発揮されるのは、言うまでもなく、これからである。