寒稽古
元旦と言えば初日の出、そして寒稽古。
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朝5時50分、焼津市役所大井川分所前に集合。
子供達から「押忍!」の挨拶が、早朝の大井川分所前に飛び交う。
「順番が違うだろ!」
指導員の怒号も飛び交う。
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空手道は武道である。
挨拶の順番も厳しく決められている。
まずは檪村惠之助師範、そして私(師範代)、浅井指導員、渡邊指導員、塚本指導員、川野指導員・・・・・。
礼は大事である。
子供達の将来に、きっと役立つだろうと確信している。
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さて、師範の新年の挨拶のあと、吉永海岸まで約3キロを歩いて行くのが恒例である。
子供は風の子、遠足気分で楽しそうである。
今朝も寒かった。
整列して日の出まで、ひたすら待つ。
ブルブル震えて、寒そうにする生徒に
「こら~~!これくらいで寒そうにするな~!背筋を伸ばして、堂々と前を向いてとけ!寒いと思うから寒いんだ。」
檄を飛ばす。
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流石は師範、後ろから拝見していたが、ピクリとも動かなかった。
6時51分水平線から、綺麗な初日の出。
「合掌~~~!」
合掌して今年の抱負を強く念じる。
足の感覚は「寒い」から「痛い」に変わり、最後は完全に「麻痺」に変わる。
毎年の事だが、低学年の子で泣く子も出てくる。
足の痛いから麻痺する非日常な感覚が、涙腺を緩めてしまうのだろう。
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流石に、良く冷えた石の上で、麻痺した感覚での寒稽古は危険なので、靴を履くことを許可。
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準備体操のあと、基本稽古。
形稽古。
約束組手稽古。
全ての寒稽古が終了し、師範のお言葉の後、準備をしてくれた父兄の皆様にお礼の挨拶。
苦行と思うか、楽しいと思うかは、己が決めることである。
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一年の計は元旦にあり。
子供達には、良い一年のスタートがきれたのではないだろうか。
最後は、指導員で記念撮影。
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「こら~~、寒そうにするな~!」
という檄は、自分の心に負けそうになった私自身への檄。
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寒稽古終了時の私の頭の中は、家に帰って湯船に浸かることで一杯。
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子供の前では偉そうに檄を飛ばしている私も、同じ人間、感じることも同じである。
立場が違うだけで、おんなじである。
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いくら経験を積んでも、寒いものは寒い!