愛弟子の悲痛な声
愛弟子の今までに聞いたことのない悲しい声。
当たり前だが、悲しい時に出る声。
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普段は大きく張りのある明るい声が持ち味の彼。
丸山歯科医院勤務中は、診療室の一番端での会話が、反対側の端に居ても聞こえるくらい大きな声の持ち主。
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私も大概、声が大きいと言われるが、私の比ではない。
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そんな彼の小さく震えた声・・・・・・・・・・。
人の悲しい声って、どうしてこんなに悲しげなのだろうか?
私の体中に電流みたいな物が流れた。
愛弟子の悲痛な声は、応える。
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母急逝の電話であった。
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昨日までは普通に元気であったと聞いているので、まさに急逝であった様だ。
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マサ(時森先生)のお母様とは2回お会いしている。
1回目は、マサが勤務して間もない頃であった。
私も若かった事もあり、スパルタ教育指導をして鍛えていたのだが、そんな息子を心配して、駆けつけてくれたのを覚えている。
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2回目は、結婚式である。
成長した息子の姿を見て、本当に嬉しそうな顔が印象的であった。
しかし、私の席まで来て下さり、
「これからも正俊をどうか厳しく指導して下さい。」と頼まれたのもしっかりと覚えている。
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厳しくも優しい母の想いであろう。
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心よりご冥福をお祈り申し上げます。