ドクターイェロー
「今日は天気が良いから、ルパンを連れて外へ行こうよ。何か良い事あるかもよ。」
かみさんがこう言い出した。
私が、かみさんを外へ行こうと誘うのは良くあるが、かみさんが私を誘うのは本当に珍しい。
少なくとも、ここ数年間は記憶に無い。
頭でも打ったか?と心配したほどだ。
当然、私は即答。
「5分後に出発しよう!」
今日は天気が良く、ルパンも嬉しそう。
私は速攻で、ジョギング出来る服装に着替えた。
車でリバティーに。
かみさんはルパンと散歩している間、私は、ジョグで1キロの往復を繰り返していた。
2往復目、新幹線の高架下を通過すると、異様な光景を目にした。
何人もの人が、カメラを手に高架を見ている。
三脚をセットしている人もいれば、手に構えている人も居る。
何・何・何?
「ど~~~したんですか?」と聞いてみると、
「もうすぐドクターイェローが来るんです。」
エッ!
ドクターイェローと言えば、見た人に幸運をもたらすという噂の・・・・・・・・・・。
戸塚先生は一度見たらしいが、私はまだ見た事はない。
これは大変だ。
かみさんにも、ルパンにも見せてあげなければ・・・・・・・。
かみさんとルパンの姿は600Mほど先に見えた。
ダッシュである。
100Mくらいの距離まで近づき、
「ドクターイェローが来るんだって、急いで!写真撮って!」
かみさん、恐るべし。