真剣勝負
真剣勝負。
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傍から見ると面白そうであり、ワクワクする言葉であるが、当事者にとっては胃が痛くなりそうな言葉である。
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さて、今晩は、久しぶりに家族4人が揃っての夕食。
最近は、息子は息子で、塾じゃ試験じゃで忙しく、私は私で、例の様に例の如く、やれマラソンじゃ、やれ空手じゃで忙しく、揃っての食事は中々できなかった。
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さて、息子には、数ヵ月後には、大学入試という大きな壁が向こうから迫って来ている。
ゴーゴーという音が聞こえるような気がする。
正確な等速度で向かって来ている。
そんな訳で、会話は自然に、その方向に流れてしまう。
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受験生が居るためなのか、それとも息子が成長したせいなのか、夕食後に、昔のように4人揃ってお菓子を食べながら、お笑い番組なんぞを見て、4人揃って大笑いする、そんな光景は今は見られなくなった。
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真剣勝負が控えているためだ。
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人間は節目節目で真剣勝負を行い成長していくのだ。
成長するために必要な過程である。
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今度の日曜日は、スポーツ少年団の生徒の空手の試合である。
小学校1年生から中学校3年生までの全員が出場する。
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初出場の生徒も居る。
デビュー戦である。
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私の空手のデビュー戦は大学2年の時の組手試合であった。
九州の大学から新幹線で東京の試合会場まで来ての試合。
せっかく遠方から来たので、負けるわけにはいかない。
気負い過ぎ、冷静さは全くなかった。
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「緊張」なのか「無心」なのか、周りの声、審判の声も全く聞こえなかった。
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気が付くと、強制的に開始線に戻され、
主審から「失格!」というコールを宣告されていた。
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審判が「止め!」と言っても、審判が間に入っても、攻撃を止めなかったのが2回続いたためらしい。
コーチが抗議しに行ってくれたそうだが、当然判定は覆らず、失格負け。
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勝負には「冷静さ」が重要である事を学んだ。
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皆、真剣勝負である。
「勝負」
字の如く「勝ち」と「負け」にハッキリと選別される。
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世の中は、やはり厳しい。