富士登山、富士山すみませんでした。
こんばんは、院長の丸山誠二です。
日本空手協会大井川支部一般の部、男子7人(成人男性6人、小学生1人)、成人女性3人の計10人で富士登山に行って来た。
午後8時、浅井歯科駐車場集合。
当然、仕事上がりでの登山であり、徹夜登山である。
「今日の予定は、10時30分に富士宮口5合目に到着して、30分程、体を慣らして登山開始。
各々のペースで登山し、山頂で会おう!
そこで御来光を仰ぎ、ちょっと寒そうだけどTシャツになり、空手の形でもやろうぜ!
後は一気に降りてきて、近くの温泉か銭湯で ひとっ風呂浴びて帰って来るか!」
なかなかのハイテンションである。
体力にはチョッピリ自信のある馬鹿な空手家集団である。
相手は日本一の山である富士山であることをこの時は誰も知る由もなかった。
11時30分五合目到着、15分ほどで直ぐに登山開始。
8合目に3時30分に到着。
富士山が日本一であることを我々に体で教えてくれたのはここからだ。
8合目を過ぎた辺りから体に変調をきたしているのが自覚できた。
登り始めて4時間、体力の消耗もある。
徹夜のため猛烈な睡魔が襲って来る。
急に酸素濃度も薄くなってきて息苦しい。
さらに猛烈な強風で目茶苦茶寒い。
「寒い」「息苦しい」「眠い」
9合目を過ぎた頃には、軍手しか持って来なかった私の両手の感覚はもはやない。
低酸素が原因か、眠気が原因か、寒さが原因か、よく分からないが意識が朦朧としてきた。
9合半の小屋に着いた時、両手の指がしびれて上手く曲がらない、あと500メートルで山頂、見上げるとゴールが見える。
ここまで5人でお互い励ましあい登って来た。
しかし私にはこのまま駆け上がる気力、体力は残っていなかった。
「俺を誰だと思ってる。俺は日本一の富士山だぞ。なめると 命の保証はね~ぞ!」
そう言われているような気がした。
無理すると命が危ない!本当にそう思った。
4人に先に行ってもらうことにした。
私一人小屋で休憩。
卵スープを注文し手の感覚が戻るのを待つ。
約30~40分目を瞑り、体力を充電させた。
後は気合のみで登頂。
頂上は、さらに凄い強風で、こんな所にいたら凍ってまうぞ、ほんまに。
頂上を満喫することなく頂上を見ただけですぐさま下山開始。
下りは太陽も出て寒さに震えることもなく景色も良かったが、もう景色を堪能する気持ちも全くなかった。
朝10時30分、6合目に到着。
そこで仲間を待ち、5合目に12時ごろ到着、いや生還と言った方がピントくるかも知れない。
全員魂を吸い取られたようにぐったりである。
「日本一の富士山様、すみませんでした。
我々はあなた様をなめてました。
自分の体力を過信していました。
山頂でTシャツで形をするなんて、もう口が裂けても言いません。
今度もしお邪魔することがあれば、十分な睡眠をとり、防寒対策をしっかりして来ます。」