ルパン降参す。
最近は、増築も最終段階に入って来たため、診療中、昼休み、診療後と一日に何人も来客がある。
セキュリティー関係者、消防関係者、建築関係者、銀行関係者、診療機器関係者、会計事務所関係者・・・・・・・・・。
その度に、ルパンの居場所が変わる。
自宅と診療室が繋がっている建物のため、自宅にも新たな建築基準が適応され、自宅内にも、各階に仰々しく火災報知器じゃ、室内消火栓設備を取り付けなければならないらしく、その設置場所の検討に入っている。
今日も、診療中に業者の方が自宅に入って来た。
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ルパンは、足音で私か、かみさんか、他人か確実に聞き分けることが出来る。
他人が入って来たと、ルパンは気が気じゃない。
2時間程して、業者の方は帰って行ったが、その間のルパンのストレスは察して余りある。
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事件は、その最中に起こった。
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業者さんが、終わりましたので帰ります、と受付に報告に来たので、玄関の鍵をかけに院長室に入ると・・・・・。
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いつもと違うテーブルの下にうずくまっているルパンを発見。
その先を見ると・・・・・・・テーブルの上にあった観葉植物(かみさん作)が・・・・・・。
ありゃりゃ!
「ルパ~~~~ン!」
私の怒鳴り声がルパンの耳にも届いたのだろう。
この声はヤバい声だ!と申し訳なさそうな態度をとるルパン。
「コラ~~~!誰がやった?」
更に追求が続く・・・・・・・・・。
ルパンの体を、ツンツンしながら、更に続ける私。
誰か助けて~~~~、かみさんの救助が来ないかな~~とドアを見るルパン。
「助けを求めても駄目~~!」
私はルパンを睨んだまま。
この執拗な攻撃に流石のルパンも考えたのだろう。
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居場所を移して・・・・・・・。
ゆっくりとゴロっと体を返して・・・・・・・降参の体勢。
自分の弱い所(急所)である腹を見せる行為は、降参の合図であろう。
ったく・・・・・・・・・・。