姑息な選人眼
丸山歯科医院 院長
医療法人社団すずかけの木 理事長
私の肩書である。
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失礼、もう一つ忘れていた。
丸山塾 塾長である。
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今まで、何とも感じたことが無かったが、最近、その肩書の責任の重さを感じる様になった。
本当に急にである。
年のせいであろうか?
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18歳で職業として歯科医師を選択したので、その成り行きで、30歳で院長になった。
命を懸けて行くぞ!と強い覚悟で院長になった日の事は、今でも忘れることはない。
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皆さんのご協力、ご理解のお蔭で、順調に行き、40歳の時、地域医療の発展の為に尽力するという誓約書を提出し、医療法人設立の許可をもらった。
理事長となった。
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更に、47歳の時、後進の指導をとの思いを具現化するため、丸山塾を立ち上げた。
塾長となった。
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院長として・・・・・・
理事長として・・・・・・
塾長として・・・・・・・・
の責務を果たしているのか?
最近、自問するようになった。
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今のままでは駄目だ!
もっと、しっかりしなきゃと思い始めた。
遅~~~~っ、今?
と思うが、今になってやっとである。
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一言で言えば、〝不完全燃焼感” に苛まれているという感じであろうか。
もっと出来る、もっとやらねば・・・・・・。
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歯科医師になって27年目、この地に開業して20年目、来年2016年4月9日で開業20年になる。
早いもんだ。
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1996年4月9日火曜日、開業初日に患者さん数は21人、今でも、全員覚えている。
カルテ番号が1番~21番の患者さんは、開業初日に来てくれた患者さんである。
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現在でも、21名中も多くの患者さんが来院してくれているのは本当にありがたいことだ。
そんな患者さんの信頼に応える為にも、もっとやれることはある筈だ。
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さて、そんな思いから、増築を決断し、増築に伴い、先週の木曜日からスタッフの募集を掛け始めた。
嬉しい事に、早速5名の応募の電話が入ったので、今日の昼休みに2名、明日の昼休みに3名の面接をすることになった。
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詳細は秘密であるが、私の面接方法は変わっている。
方法ではなく、見る所が変わっている。
いろいろと質問をするが、内容を聞いている訳ではないのだ。
内容なんて何とでも言えることは、過去の経験から学習済みである。
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開業して20年、何人の面接をしたか分からないくらい多くの方の面接をしてきた。
面接に関しては、参考にと細かいデータを残している。
データを見たら、優に200人は超えている。
凄い人数である。
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成功もあり、失敗もあり、多くの経験を積んで来た。
面接時間は1人15~30分と決めている。
今日も1時30分から1名、2時から1名の面接をした。
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面接は、ほぼ定刻時間通りに院長室で行う。
時間厳守である。
〝ほぼ” である。
ここがミソである。
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私は10分前から、院長室でスタンバイしている。
面接は、既に始まっている。
真剣勝負である。
私は、面接はお見合いと同じくらい重要であると考えているからだ。
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お見合いなら、何回かデートをして見極めることが出来るが、面接は一発勝負である。
初対面の方を30分以内に評価しないといけないのだ。
今日も、幾つかの小細工をさせてもらった。
午前の診療後に、小細工をしていると、スタッフが
「院長、何してるんですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・小細工。」
訳を話すと・・・・・・・・・・
「怖っ!そんなことしていたんですね・・・・・・。」
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そ~~、私って実は怖いんです。
いや、姑息なんです。
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さて、私の仕掛けた幾つかの小細工を見事クリアできる人が現れるだろうか。
院長、理事長、塾長として経験を積んだ私の選球眼ならぬ姑息な選人眼、今回は冴えるだろうか?