ドクター勉強会&院内勉強会院長チェック
午前の診療後に、ドクター勉強会を行った。
今回の担当は、副院長(かみさん)。
スタッフには、睦子先生と呼ばれている。
テーマは、MTAセメント。
Mineral trioxide aggregate(MTA)は、1993年Loma Linda大学で開発された画期的な材料である。
MTAの最大の利点は、骨の良好な反応である。
どんな材料でも、生体にとって歯科材料は異物であり、歯科材料に接した骨組織には生体の防御反応が少なからず生じたが、MTAに対する骨組織の防御反応はほとんど見られない。
ビックリである。
生体の防御反応がない、つまり悪さをしないというだけで画期的でありビックリであるが、MTAは骨芽細胞の良好な増殖や様々な増殖因子の放出をするというプラスに働くという。
ビックリを越して、驚愕である。
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現在でも多くの患者さんに臨床応用しているが、今回の勉強で更に適応症が増えそうである。
そんな症例について、3人で検討をした。
いくら画期的な材料であっても、適応症、使用方法、治療手順など、一つでも間違えると、かえってマイナスになってしまうこともあるので、注意が必要である。
それには、バイオロジー(生物学)を学び理解した上で、厳格な手順を正確に行う必要がある事を改めて学んだ。
午後の診療後は、院内勉強会のスライドチェック。
今月の演者は戸塚先生。
最近は、スライドチェックを医局長の戸塚先生に任せる機会が多くなってきたが、今回は戸塚先生のチェックなので、私の出番である。
さて、大まかな流れは良く出来ているので、最後の詰めの考察部分について議論した。
いわゆる教科書に記載されているのは、典型的な症例の手順、考え方であり、実際の臨床では、そんな典型症例は殆ど存在しない。
歯科医師国家試験に合格し、初めて臨床現場に立った時、何も出来ない自分に愕然としたことを今でも覚えている。
教科書では、直球の受け方について詳しく記載されているが変化球に対する受け方の記載は驚くほど少ない。
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しかし、患者さんが投げてくるのは殆どが変化球。
中には暴投もある。
それを如何にキャッチするか。
腕の見せ所である。
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そんな実際の臨床で遭遇した症例を交えたプレゼンであった。
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悩み、考えることは大事なことであり、面白い!