「割烹 丸山」 で夕食
医療法人社団すずかけの木は、8月が決算日である。
一応、理事長の職にある私は、今日は、決算の書類作りと書類整理で大忙し。
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夕方4時30分に予定の仕事が終わり、晴れて自由の身。
待ちに待った自由時間。
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今日は、佐渡でロングのトライアスロンが午前6時から始まっている。
仲間が2名参加しているので、気持ちもソワソワ。
2週間前の記憶が蘇る。
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急いで、インターネットを開き、仲間の状況を確認。
最近は便利なもんで、チップを着けているので、どこにいるかがタイムリーで分かるのだ。
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しかし、「アクセスが集中しており、修復に全力を尽くしておりますが、ご迷惑をおかけしております。申し訳ございません。」の文字が。
結局、最後の最後まで、記録にアクセスできなかった。
しかし、ネットでサドテレビのライブTVで生中継を放映していたので、それを見ることにした。
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時を同じくして、かみさんから電話があった。
「今晩は夕食は食べて帰るから要らないよ。」と言う。
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息子も居ないので、晩飯は私だけ・・・・・・・・。
いや、ルパンと二人。
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1人身だったら、迷わず、外に食べに行ってしまうが、三男(ルパン)が居るので、そ~~ゆ~~訳にはいかない。
三男を車に乗せ、夕飯の買い出しに出掛けた。
犬同伴OKの料理屋さんは、ここ界隈に一軒しか知らない。
知る人ぞ知る 「割烹 丸山」 だ。
隠れ家的割烹料理店だ。
隠れ家的じゃなく、完全な隠れ屋である。
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折角、割烹に行くなら、より美味しく食べたい。
仲間が、今頃、最後のフルマラソンを走っていると思うと、体が騒いだ。
雨が降っていたが、小雨なので、小一時間走ってから食事することにした。
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帰宅後、風呂に入り、ネットで佐渡トライアスロンの生中継映像を見ながらの夕食。
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まずはルパンに食べさせる。
主人より先に子分が食べるのは、順番が違うと言いたい所だが、主人の食事の方が美味しい味付けなので、同時に食べようとすると、味付けの無い自分の食事を食べようとしなくなるので、まず子分から食べさせる作戦。
さ~~て。
まずはお通し。
今日のお通しは、わさび漬けとらっきょう。
そして、めかぶ。
「割烹 丸山」の売りは、焼き立ての熱々を食べてもらうことだ。
焼き物に突入。
椎茸、エノキ、レンコンと、好きな食べ物が、熱々の状態で単品で次々と出てくる。
ここ「割烹 丸山」にはルールがある。
客そして焼き場などの料理人、洗い場、さらにはおかみさんを合わせた総人数が1人しか居ないので、全ての行為が効率良くなければならない。
つまり、一品終わったら、出たゴミは捨て、食洗機に入れてから、次の料理を作ることだ。
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食べ終わった時に、シンクに洗物が山積みになっているのが嫌なのだ。
一品毎に洗っておけば、一品だけ洗えば良いので、気が楽である。
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さて、さて、時々、ルパンにもお裾分け。
熱々の野菜はルパンも美味しいらしい。
ルパンもペロリと完食。
野菜の後は蛋白質。
「割烹 丸山」 の特徴は熱々が出てくるのだけではない。
食べ終わる度に、自分で洗い片付けるだけでもない。
席の真横に体重計があるのが普通の割烹には無い特徴だ。
アルコールが入ると、満腹中枢が麻痺してしまい、ついつい食べ過ぎてしまうので、上限を決めている。
食事前の体重は53.70キロだったので、今晩は上限を55.0キロに設定。
55.0キロまで、何を食べてもOKである。
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ルパンも満足したのか、気持ちよさそうに休憩。
体重計に乗った私は、更に、少量を何品か注文した。
「割烹 丸山」の料理人は、私のお腹の具合が分かっているのか、丁度良い量が出て来るではないか。
ここの料理人は、出来る!
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そんな一人芝居を堪能しながら、ネットでトライアスロンのレース観戦。
悶え苦しみながら走っている仲間には申し訳ないと思いつつも、一杯やりながらの観戦。
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お腹が落ち着いた所で、夕食開始から3回目の体重測定。
まだ、大丈夫だ。
最後に、もう一品注文した。
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「すみません。」
「はい。」
「最後に、ロースハムをお願いします。」
「あいよっ!」
この返事は、割烹ではなく、居酒屋である。
やり直しである。
「はい。」
上品な小声で、注文を承った。
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お中元で頂いたロースハムを切った。
ロースハムとの相性が絶妙なのは、キャベツだ。
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ロースハムを冷蔵庫から出し、封を開けた所で、休憩中のルパンの嗅覚が反応した。
ムクッっと起き上がった。
ルパンの小さい脳がフル回転。
人間で言うと3歳の脳に匹敵するらしい。
考えた結果、休憩場所を、私の椅子の直下に移動することにした様だ。
この体勢は、休んでいない体位でないことは御見通しである。
鼻と耳が緊張している。
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さて、最後の一品。
ロースハム&キャベツ。
そして、冷や酒(日本酒)を注文。
かみさんが買ってくれた、バカラのグラスにポン酒を半分ほど注いだ。
予想通り、ルパンが反応した。
「ルパンは、も~一杯食べたでしょ、だから、も~駄目!」
シュンとするルパン・・・・・
・・・・・と思いきや、2,3秒後には、ロースハムにロックオン!
何ともかわい~ではないか。
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最初にあげると、お替りを要求するので、無視して食べる私。
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じ~~~っと待つルパン。
そんな時、最後の仲間のゴール映像がTV画面に映り出された。
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最後に、ほんの一かけらだけ残ったロースハムをルパンにあげて終了。
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2人の仲間が見事完走できた様で何よりだ。
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最後のお皿とグラスを洗い、食洗機のスタートスイッチを入れ、
ルパンと 「割烹 丸山」 を後にした。