ルパンとの駆け引き
スポーツ店で、テニスボール2個と軟球ボール2個を買って来た。
テニスを始めた訳ではない。
当然、軟式野球を始めようとしている訳でもない。
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背筋のマッサージ用に購入した大事なアイテムである。
リビングルームで買って来たボールを置くと、何者かがすり寄って来た。
ルパンである。
初めて見る物があり、興味津々のルパン。
恐る恐る匂いを嗅ぐルパン。
安全性を確認し始めると噛んでどこかに持って行ってしまうと判断した私は、大きな声で
「ルパン、駄目!」と一喝!
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一瞬諦めた素振りを見せるが、諦めきれなく、一瞬の隙を野生の感で伺うルパン。
いつか、隙があれば、噛んで逃げようと思っているのだろう・・・・・。
ボールから少し離れただけの距離で、静止するルパン。
そんなルパンの気持ちは全てお見通しである。
もう一度、大きな声で「ルパン、駄目!」
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更に距離を離すルパン。
しかし、まだまだ諦めきれていないルパンである。
その場を離れようとしない。
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もう一度、更に大きな声で「ルパン、駄目!・・・駄目!!」
ヤバい、と思ったのか、キョトンをするルパン。
その一部始終を見ていたかみさんが一言
「ルパン、ど~~ぞ。」
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恐る恐るテニスボールに顔を近づけ・・・・・・
恐る恐る口で噛み・・・・・・・・・
隣の部屋に消えて行った。
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しばらくして隣の部屋に行くと、テニスボールが放置されていた。
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ルパンにとっては、たいして面白くないボールだった様だ。