そして、私は魚になった・・・・・
今年の、最大の楽しみであり、また目標でもあるイベントは、8月23日の北海道洞爺湖でのアイアンマンレースである。
スイム3.8キロ、バイク180.2キロ、ラン42.195キロである。
今の私には、想像もつかない距離である。
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唯一経験のあるのは、42.195キロのランだけであるからだ。
スイムは最長で1.5キロ、バイクは最長で130キロしか経験がない。
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そんな訳で、そろそろ、単独でスイム3.8キロ、バイク180.2キロを経験しなければと焦り始めている。
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スイムでは1.5キロ以上泳いだことがない私にとって、3.8キロは未知の世界である。
体が、どんな状態になるのか想像がつかない。
それ以前に、泳ぐことができるかどうかも分からない。
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今日は、最低でも2キロ、出来れば3キロ、行けたら3.8キロに挑戦することにした。
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ティップネスのプールに着き、時計をみると21時5分。
チャレンジスイムの仲間も大勢、泳いでいる。
軽く挨拶をして、自分の世界に入る。
「よし、行くぞ!」
小さな声で、気持ちを引き締める。
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取り敢えず2キロに向け、スタート。
遠泳なので、ゆっくりとしたフォームでの始動。
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500メートル程、泳ぐと、まだ500なのに息が苦しく腕の筋肉も重たい。
マ・ジ・カ!
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2キロは絶対に泳ぐと決めた以上、絶対に泳ぐぞ!
気持ちを引き締め、行くしかない、と自分を励ます自分。
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1500メートルを越し、未知の世界へ突入。
何とも言えない充実感、達成感が、実に心地良い。
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あと500メートル。
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あっけなく2キロを達成。
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まだ行けそうである。
3キロいっちゃう?
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気持ちは昂る。
腕は重いが、ここまで来たら行くしかないでしょう・・・・・・。
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なんとか3キロ達成。
ここまで来たら行くしかないでしょう!
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しかし、ここに来て問題が発生。
尿意を催し始めてしまったのだ。
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海なら、まだしも、ここはプールである。
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思い起こせば、先日の静岡マラソンでも25キロ地点で尿意を催し始めたが、あと1キロ我慢、あと1キロ我慢と言い聞かせながら走った結果、そのままゴールまで我慢できた経験をしたので、案外、尿意は我慢できると思っているので、我慢することにした。
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3.1キロ、3.2キロ・・・・・・・・。
3.5キロを達成し、あと300メートルで夢の3.8キロ。
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その瞬間、体に異変が起きた。
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ランニングで言うランナーズハイである。
言うならば、スイマーズハイ?だろうか。
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急に腕の重さがなくなり、息も全く苦しく無くなって来た。
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人間から魚になった瞬間である。
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以前、戸田インストラクターが、学生時代はコーチから「魚になるまで泳げ!」と言われたというフレーズが頭に浮かんだ。
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無事3.8キロ泳ぐことができた。
しかし、腕はパンパンである。
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何とも言えない達成感。
何事も、〝初” は感慨深いものだ。
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フルマラソンも、どんな記録達成時より初マラソン完走した時を超す感動は未だ経験ない。
5時間55分を散々なタイムだったにも拘らず、一番感動したのだ。
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帰宅後、腕の筋肉が更にパンパンになって来た。
全身もグッタリだ。
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アイアンマンレースでは、この後にバイク180.2キロ、そして42.195キロのフルマラソンが待っている。
楽しみだと強がりを言いたいが・・・・・・・。
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鉄人の称号を手にする過酷さを改めて感じた今日であった。
しかし、魚になった貴重な体験もすることが出来た。
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明日、目が覚めたら、体にウロコが出来ていたりして・・・・・・・・・・・・。