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2014年3月15日 (土)

勝負の世界

1年の価値を知るには、大学受験に失敗した学生に話を聞くといいでしょう。

1ヶ月の価値を知るには未熟児を生んだ母親に話を聞くといいでしょう。

1週間の価値を知るには、週刊新聞の編集者に話を聞くといいでしょう。

1時間の価値を知るには、待ち合わせをしている恋人たちに話を聞くといいでしょう。

1分の価値を知るには、電車に乗り遅れた人の話を聞くといいでしょう。

1秒の価値を知るには、たった今、事故を避けれた人の話を聞くといいでしょう。

10分の1秒の価値を知るには、オリンピックで惜しくも銀メダルに終わった人の話を聞くといいでしょう。

 

これは、昨年12月に、予防専属衛生士の横山さんが院内勉強会の時に、紹介してくれた言葉である。

私の心に染みわたる言葉であった。

今の私には、特に身に染みる。

 

この中では最長が1年であるが、現実の世界では、1年では済まない事もある。

いや1年で済まないことの方が多いかも知れない。

しかし、それは毎日、いや1時間、いやいや1分を大事にした人間には関係の無い事かも知れない。

1分の集合が1時間であり、1時間の集合が1日であり、1日の集合が1週間であるからだ。

 

話しは変わるが、勝負の世界は面白くもあり、厳しくもあり、悲しくもあり、非情である。

正に、”勝てば官軍、負ければ賊軍” 。

 

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3年前、2人の少年が、静岡で勝負したいと言い出した。

言いたいこともあったが、行って来い!と気持ち良く送り出した。

心配であったが、無傷で戻って来た。

 

3年後、2人の青年が、今度は東京で勝負したいと言い出した。

言いたいことはあったが、グッと堪えて、行って来い!と送り出した。

青年は青年なりに果敢に挑んだが、思いっきりぶん殴られて帰って来た。

 

さ~~~、ど~~する。

レフリーの前で、2人の青年は、傷だらけの顔で、ファイティングポーズを見せた。

 

殴られたら、殴り返して来い!

行け~~~!!

コーナーに陣取ったセコンドの私は、そ~~言~~たかったが、うつろな目の奥に、衰えていない戦闘意欲を見た私は、敢えて言う必要は無いと思った。

 

収容所。

いつ出られるか分からない場所。

懲役1年であれば、1年後には必ず出ることが出来るが、現実の世の中は、確定の無い、出口の見えない世界である。

もしかしたら、一生出所出来ないかもしれない・・・・・・。

過酷な言い方ではあるが、ある意味 ”無期懲役” にも似た状況である。

 

2人の男は、4月から、それぞれ、「駿台収容所」「北九州収容所」への入所が決まった。

 

1年で出て来いよ、この野郎~~!

そ~~強い口調で恫喝しようとしたが、入所先が決まった2人の青年の目は、悲壮感よりも模範囚となり、1年で必ず出て来るからという強い決意を語っていたため、 優しい口調で諭すように話した。

 

そんな2人の青年の目を見た時、何故か、今までに味わった事の無い、実に切ない気持ちに苛まれた。

この切なさは、表現の仕様のない人生初の感情であった。

今までは私自身が人生の主役であったが、今回ばかりは脇役のセコンドである。

 

普段は能天気なオジサンも、ちょっとだけ真顔にならざるを得なかった。

 

人生に無駄ツモ無し!

挫折・・・・・・、人生には付き物であり、人生には必要な物ではないだろう~~か。

 

挫折の無い人生などないばい。

それなら、早めに味わった方がよかろ~~もん。

 

そ~~思ったらよかたい。

やるしかなかろ~~が。

 

どげんしたと?

 

どこに行くと?

駿台と北九州ね、そりゃ~~よか所ばい。

 

お前は、博多華丸・大吉か?

 

何故か、丸山家は、窮地に立つと、九州弁になる。

九州弁が出ると、何故か、笑いが出て、ホッとする。

 

静岡生まれ静岡育ちの私、香川生まれ香川育ちのかみさん。

 

2人の共通点は、18歳からの6年間という青春時代を九州は福岡県北九州市で過ごした事である。

 

博多華丸・大吉・・・・・・・・・・。

窮地になった時に出るかみさんの博多華丸・大吉の渾身のモノマネ。

滅茶苦茶似ているだけに、皆さんにも聞かせてあげたいが、まず披露する事はないだろう。

 

さて、さて、1996年。

丸山歯科医院開業した年でもあり、2人の息子が生まれた記念すべき年である。

 

そんな訳で、1996年産のワインを2本ストックしている。

今年は叶わなかったこのワインの開栓、来年のこの季節には開栓し、勝利の美酒に酔いしれたい。

 

飽きずに、諦めずに、頑張って来い!

セコンドの私の血管の中に熱い血流を感じた。

 

意味不明な内容で済みません。

 

たまには、よかたい!