第32回静岡県口腔インプラント研究会臨床講演会
午前10より、ホテルアソシア静岡3階葵の間にて、第32回静岡県口腔インプラント研究会臨床講演会が行われた。
私は、静岡県口腔インプラント研究会の理事をしており、昨年の秋に開かれた理事会にて、
吉野敏明先生の特別講演が提案されてから、この日を指折り数えて楽しみにしていた。
吉野敏明先生は、吉野歯科診療所 歯周病インプラントセンター所長をしており、歯周病の若手いや中堅所では、今、一番旬であり、一番勢いを感じる歯周病のスペシャリストである。
多くの本も執筆しており、私はほぼ全てを購入している。
今までの歯周病専門医とは違った切り口で歯周病を捉え、それが実に合点の行くものであり、本が出るたびに購入してきた。
”何故?何故?病” に罹患している頭の悪い私をも、な・る・ほ・ど!と納得させるほど、実に分かり易く、実に臨床的に、実に科学的に書かれており、私の歯周病治療のバイブルの一つになっている。
その生吉野先生を見れるとあって、実に楽しみにしていた。
さて、今日は、会長より、司会という、私にとっては大役を仰せつかった。
司会なので、軽装で行くわけにはいかない、ネクタイ着用は必要だ。
司会は脇役なので、主役の演者を引き立てなければならない立場だ。
私は、服装や立ち振る舞いに慎重になった。
かみさんと相談して、グレーのネクタイ、グレーのスーツという一番地味な目立たないコンビネーションをチョイスした。
演者である吉野先生が、もっと地味だったらど~~しよ~~と心配しながら自宅を出た。
9時30分、司会の打ち合わせを行い、10時の開始を待った。
ここで、吉野敏明先生がマイパソコンを持ち、壇上に上がった。
私の心配をよそに、真っ赤なパソコンに、真っ赤なネクタイ、真っ赤な花を胸に付け、髪型もビシッと決まり、ガッシリとした体格で登場。
勢いの差、主役・脇役の差をまざまざと見せつけられた結果となった。
私が持っている一番派手なスーツ・ネクタイの組み合わせを持ってしても、太刀打ちできるものでは無かった。
”心配御無用!”と言わんばかりの登場に圧倒された。
冷静になって考えれば、器の違う私は、心配御無用であった。
しかし、配慮は大事ではないだろうか。
さて、今日の学会のメインテーマは「インプラント周囲炎」。
インプラント周囲炎とは、歯で言えば歯周病のことである。
インプラントは歯ではないので、歯という言葉を使わず、”歯周病” ではなく ”インプラント周囲炎” と呼んでいる。
吉野先生は、「インプラント周囲炎を再生療法で治療する」と題し、最先端の治療方法を2時間に渡り講演してくれた。
予想を裏切らない内容で、大変勉強になった。
昼休みは、2階すいせんの間で、昼食を摂りながら理事会が開催された。
理事会終了後、時間があったので、ずうずうしい私は、吉野先生に駆け寄り、何点かの質問をさせてもらった。
これまた実に分かり易く、科学的な合点の行く回答を頂いた。
午後は、当研究会副会長であり、白鳥歯科インプラントセンター長の白鳥清人先生の教育講演。
「インプラント周囲炎にならないために」と題し、1時間30分に及ぶ、これまた大変勉強になった。
その後は、一般講演。
学会や講演会では必ず、質問時間が用意されている。
疑問を解決するビッグチャンスである。
この機を利用しない手はない。
戸塚先生が、元気よく挙手して、なかなか良い質問をしてくれた。
向上心は大事である。
最後に、蒔田先生の会長講演を終え、予定よりずれ込んだが、午後5時20分閉会となった。
何とか司会役も地味に無事終わり、ホッと一安心。
地味な私には、司会という脇役は、はまり役であったかも知れない。
しみじみと、そ~~思い、閉会後、戸塚先生と地味に講演会場をあとにした。