床屋
診療後、”はいも” に向かった。
”はいも”とは、行き付けの床屋さんである。
以前は、隣にあったが、諸事情により高新田に移転したため、ちょっと不便だが、非常に腕が良いので、今でもお世話になっている。
腕だけでなく、時間の配慮もしてくれるので、大変助かっている。
今日も、診療後の午後8時からやってくれた。
この床屋は、アイロンパーマが専門である。
私のアイロンパーマ歴は長い。
初めてのアイロンパーマは、25歳の時。
今は亡きキャスターの逸見さんのカチッとした髪型に憧れ、逸見さんの様な髪型に・・・とお願いした所、髪の毛が太いのでアイロンで寝かせればできるかも・・・と言われたのが始まりである。
結局、逸見さんの様な髪型には成らず、アイロンパーマの中で、いろいろと変遷し、一時は、パンチパーマに茶色の色付きメガネの時期もあったが、かみさんにすこぶる評判が悪く、
「歯医者なんだから・・・・・・・・・、何を狙っているの?・・・・・」
と言われ、柔らかい感じの現在のアイロンパーマに落ち着いた。
さて、今日は、アイロンを当てながら、床屋談義となった。
1,000円床屋なるものが進出して、昔ながらの床屋は本当に不景気だという話しだった。
1,000円床屋さんは利用したことがないので、何とも言えないが、ここ”はいも”は心を込めて凄く丁寧にしてくれ、私好みの髪型にしてくれるので、例え値段が上がっても、ここを変える気持ちはない。
一番のお気に入りは、職人かたぎな所である。
未だに、昔、師匠に教わったという技術、心意気、こだわりを貫いているのが良く分かる。
耳掃除一つとっても、そんじょそこらの床屋とは一味違う。
耳掃除の前に、細いナイフの様な物で、耳の中の毛を剃ってから耳掃除をする。
耳なので、ジョリッ、ジョリッというリズミカルな音がダイレクトに体感できる。
まさしく職人技であろう。
とにかく丁寧である。
今日も、本当に丁寧にしてくれ、夜11時30分、3時間30分に及ぶアイロンパーマが完成した。
3時間30分の内、1時間30分はお話、2時間は熟睡タイムである。
仕上げで椅子を起こされる時、えっ!ここは何処?と思ってしまった。
今日は、夢まで見てしまったようだ。
値段は少々張るが、こんな職人かたぎな床屋さんには是非、生き残って欲しい。
TPPじゃ、なんじゃかんじゃと騒ぎ出しているが、価格だけじゃない、日本の技、和の心、日本職人の心意気、それが分かる人間が増えることを祈っている。