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2013年5月 4日 (土)

同じ匂いのする男

”ぼったくりバー” なるバーが出現したのは、昔の話だ。

ウイスキー一杯しか飲んでいないのに、30万円もの金額を請求されるという怖いシステムである。

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さすがに、訴えてやるという気持ちになる。

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ウイスキー一杯で30万円では、さすがに・・・・・・・・・・・・

訴えられたら面倒だ、そこで、考え出されたのが、ウイスキー一杯で3万円程を請求するという新システム。

いわゆる、”プチぼったくりバー” である。

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腹は立つが、訴える程の金額でもないし、授業料と考え、泣き寝入りする方が無難だと思わせる絶妙なシステムである。

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さて、私も、院長として、スタッフに時々、無茶ブリをしそうになることがある。

しかし、翌日に退職願い を提出されても困るので、

”無茶ブリ”、ならぬ、”プチ無茶ブリ” に留まるように配慮している。

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先日の、LSDと同時の医局ミーティング も ”プチ” の範囲内であると思っている。

エッ? という顔を見ると、快楽物質が放出される。

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さて、さて、

あさってGW最終日は、トライアスロンの練習日である。

ティップネス藤枝のチャレンジスイム1500の参加メンバーが企画してくれ、誘って頂いたので、勿論、二つ返事で、参加させていただくことにした。

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会場は、浜当目海岸。

しかし、そこまで、自転車をどうやって運ぶかが問題である。

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困った時は、藤田さん。

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一昨日、藤田さんに電話で相談。

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車輪を外せば、車にのるから、車輪の外し方を教えてくれると言う。

今日の午前中に、わざわざ、来てくれることになった。

藤田さんは、本当にサービス精神旺盛である。

一銭の金にもならないに、本当に申し訳ない。

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しかし、藤田さんのサービス精神は、これだけでは収まらない。

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藤田さんから、「少しだけ一緒に自転車乗ってから、車輪の取り外しの練習しましょう。」

というメールが入った。

折角、誘ってくれたので、断る理由はない。

藤田さんは、明日、エコパで3時間耐久レースに出場するので、今日は、軽いアップをするのだろう。

私は体中が筋肉痛なので、今日は、軽くラン程度する予定にしていたが、軽いアップなら丁度良い。

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藤田さんは、私の為に、大井川トライアスロン本番のコースを調べてくれ、本番のコースを一緒に試走してくれるという有難い企画を立ててくれた。

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リバティー内の片道約6.6キロを3往復、計40キロ、これが本番のコースらしい。

「今日は、本番のスピードを想定し、本番と同じ距離を走りますので、結構、きつい練習になりますが、頑張りましょう。」

なる言葉が、藤田さんの口から発せられた。

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んっ?

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も・し・か・し・て、聞き間違え?

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「藤田さんは、明日レースを控えているので、私の為に、無理しなくていいですよ。」

やんわり、逃げようとする弱気な私。

「全然、無理じゃないですよ、40キロくらいなら、ど~~ってことないですから。」

まさに、プチ・・・・・である。

おそらく、私の エッ? という顔を見て、快楽物質が放出されたのだろう。

私と同じ匂いがする男だ。

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さて、練習開始。

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20キロを越し、徐々に弱気になり、スピードが落ちると、横に来て、

「先生、手抜いてないですか?ここが勝負どころですよ。」

と檄が飛ぶ。

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ば~~~れたか?

ばれちゃ~~~しょ~がね~~。

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必死でペダルを漕ぎ始める。

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暫くして、腰が痛くなり、気持ちが滅入って来る。

当然、回転数が落ちてくる。

透かさず、藤田さんが、す~~っと横に来る。

「腰が痛かったら、少し立ちこぎすると、リフレッシュできますよ。」

絶妙のアドバイス。

藤田さんの目は厳しい。

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大腿四頭筋がパンパンになって来て、きつくなってくると、またもや

「空手の膝蹴りのつもりで、踏む事より、引く事を意識して下さい。」

と絶妙なタイミングで絶妙なアドバイス。

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どうやら、弱気になると、透かさず檄が飛ぶというシステムになっているらしい。

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藤田さんの”プチ無茶ブリ練習?”のお蔭で、40キロの自己新記録が更新できた。

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しかし、明日をレースを控えているにも関わらず、私の全力走に付き合ってくれる藤田さん。

藤田さんにとっては、この程度は、ウォームアップの部類に入るのだろう。

化け物である。

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帰宅後、本題の車輪の取り外しの講習を実施してくれた。

何回も、何回も、反復して教えてくれた。

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藤田さんは、教え方が実に上手である。

非常に分かり易く、実践的に教えてくれる。

藤田さん、明日にレースを控えているにも関わらず、本当にありがとうございました。

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思いの他、大腿四頭筋が張ってきた様だ。

別にやることもないので、筋肉のクールダウンを兼ね、ティップネスにスイムに行くことにした。

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あさってのトライアスロン練習に参加する仲間が、何人もスイムをしていた。

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1人の仲間が、声を掛けてくれた。

「こんにちは。あさって、トライアスロンの練習来るでしょ。明日のSMRは来る?」

「明日のSMR(バイクのきつい鍛錬)行きたいんですが、今日、藤田さんに絞られて、筋肉パンパンなんです。明日、SMR参加したら、明後日のトライアスロン、生還できそうにないので、明日は・・・・・・・・」

「そ~~、私も今朝、静岡まで自転車乗って来たし、みんな、そんな感じだから、大丈夫だよ。」

ば・ば・化け物である。

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どいつもこいつも化け物だらけである。

ここは怪物ランドか?

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みんな、化け物・・・・・・・・。

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みんな、化け物?

みんな、化け物??

んっ?

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と言う事は、化け物じゃないのは、私だけ?

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んっ?

・・・・・という事は、みんなが化け物じゃなくて、

もしかして、私だけが、小物・・・・・・・ひ弱?

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な・る・ほ・ど。

どうやら、そういう事らしい。