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2009年5月16日 (土)

やせ蛙 負けるな一茶 これにあり

「やせ蛙 負けるな一茶 これにあり」有名な小林一茶の句だ。                                                

蛙の求愛活動の句である。メスを争ってさながら合戦のようになる。
これを見物に出かけた一茶、つい弱そうな奴の味方をしてしまう。

この背景には、彼の長子である千太郎が病弱だった、という事実も
あるようだ。その命乞いという意味もあったのだが、残念ながら
愛児は生後一ヶ月で亡くなってしまったそうだ。
親が子を想う 深い句だ。

 さて、今日から院長室に書を飾ることにしたのが、

亡き父が書いてくれた 「やせ蛙 負けるな一茶 これにあり」 である。

私には一つ上の兄がいる。

小学生の時から優等生だった兄とは対照的に私は劣等性であった。

中学生の試験答案を返してもらう時、「あなた、本当に彰一君の弟?」とよく言われたものだ。(大きなお世話だ、俺は俺、兄は兄とよく思ったものだ。)

兄はその後もエリート街道を走って行ったが、私はその後も冴えなかった。

そんな私が大学受験を控えた高校3年生、確か身長159センチ、体重44キロくらい、誰が見てもチビな高3である。ちなみに身長は22歳まで伸び、今は約164.6センチになった。

チビで劣等性の高3の息子を見るに見かね、父が、この書を書いてくれた。

それ以来、押入れに大事に保管しておいた。

高校3年の今頃の季節だろうか、ちょうど歯科医師になりたいと歯学部志望を決めた時期であった。

その時の自分の気持ち さらにその時の周囲の人間の応援を忘れないため、また、初心に帰るため、額縁屋に依頼しリフォームしてもらい、この書を飾ることにした。

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