院内勉強会
小窩裂溝齲蝕の予防
今日の演者は、治療部衛生士の杉本和香奈さん。
小窩裂溝とは、奥歯の噛み合わせの溝のことである。
萌出したての歯は、非常に脆弱で溝も深いため、非常に虫歯になりやすい。
また溝は、歯ブラシの毛先より細いので、完全な清掃は残念ながら不可能である。
とは言っても虫歯は、脱灰と再石灰化という病態を繰り返すため、初期の虫歯であれば、適切な処置により元に戻る可能性があるのだ。
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しかし、萌出した時点で直ぐにこの溝を、フッ素入りの樹脂で埋めてしまえば虫歯にならないと言うのが〝シーラント”である。
当歯科医院でも、このシーラント処置は積極的に行っているが、その予防効果は100%ではない。
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統計的には、シーラントの予防効果は60%と言われている。
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何故、60%なのか?
100%にする方法はないのか?
何が原因なのか?
その原因を掘り下げ、ではどうしたら良いのか?
今、使用している材料で良いのか?
もっと良い材料はないのか?
手技に問題はないのか?
術前には、どんな診査が必要なのか?
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いろいろな側面からシーラントについて考察してくれた。
普段、何げなく行っている日常の臨床医療行為も、一つ一つ深く掘り下げていくと、多くの??が出てくる。
なかなか、奥の深い勉強会になったのではないだろうか。
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この勉強会を終え、世間一般では60%と言われているシーラントの予防効果が、丸山歯科医院では例え1%でもその予防効果が上がれば幸いである。
その1%の積み重ねが、更なる1%を生み、やがて大きな予防効果に育ち、それがその他の医療行為にも波及していくことを願っている。
杉本さんも、〝100%は無理でも、100%に近づける努力は惜しんではいけない” と力強く語ってくれた。
少しでも患者さんの利益の向上に貢献したいという杉本さんの医療に対する純粋な思いが伝わって来た。
さて、勉強会の後は、演者注文のお弁当。
杉本さんセレクトは、ちらし寿司弁当。
久しぶりに食べた、酢飯にのった甘いデンブ。
懐かしく、美味しかった。
しかし、蓋を開けた瞬間、私の大好物のわさび漬が目に入り、思わずニンマリしてしまった。
皆さん、弁当にわさび漬って、最高の組み合わせだと思いませんか?