« 保険の話 | メイン | 新しい会計ソフト »

2014年5月 3日 (土)

ミステリー・ツーリング

目的地は明かさずに出発するというミステリー・ツアーなるものが、密かに人気を博していると聞いた。

聞いただけで、何とも面白そうではないか。

さて、今日は、SMRのトレ班2班(トレーニング2班)の藤田さんにお願いして、ツーリングに連れて行ってもらうことになった。

.

私はツーリング班の2班。

SMRでは、トレーニング班とツーリング班に分かれ、それぞれに1班、2班がある。

順番は、トレ1班、トレ2班、ツーリング1班、ツーリング2班となる。

ツーリング2班の一員からすると、トレ2班は化け物である。

ちなみにトレ1班は、大会の上位入賞者の実力者で、ノンプロ級である。

.

そんな訳で、「今日はツーリングでお願いします。」と念を押しておいた。

.

「了解しました。では、100キロのツーリングを楽しみましょう。朝7時に行きます。」

とのメールが入った。

行先は明かされていないミステリー・ツーリングである。

”楽しい” という文字を信じ、ウキウキして7時を待った。

.

「今日は、約100キロ、平均速度20キロで行けば、5時間で100キロですから、12時に帰宅予定で行きましょう。」ということで、約束通り、7時にスタート。

.

普通、リバティーでは平均速度28~29キロで走っているので、距離は100キロと長いが、平均速度20キロであれば、楽しみながらいけそうだ。

そう思った。

しかし、この考えが、どんなに甘かったか、その後に、どんな試練が待ち構えているのか、この時は知る由もなかった。

まずは、いつもの牧の原の山を登った。

歓談しながら、ポカポカ陽気を全身に浴び、気持ち良い、まさにツーリング。

.

その山頂で、藤田さんから、ミステリー・ツーリングの内容が告げられた。

.

「あの山と、あの山と、あの山を登って降りましょう。ゆっくり行きますから大丈夫です。」

「・・・」

話が違うぞ!と思ったものの、ま~~ゆっくりなら行けるやろ~~、真剣にそう思った。

ミステリー・ツーリングの内容は4つの山のツーリングであった。

いざ、スタート!

山頂に近づくと、チンタラ登っている私に対し、

「山頂まで、あと100メートル。ラスト頑張りましょう!」

と言って、藤田さんがペースを上げる。

あと100Mか、ヨッシャ~~!

藤田さんの言葉を鵜呑みにし、僅かに残ったエネルギー、気力を使い、頑張る私。

実際には500Mくらいあった。

当然、筋力、気力はもたない。

ラスト300Mくらいを残し、心が折れた。

「藤田さ~~~ん、マジっすか?」

「へへへへ・・・・」

Img_4146

3つ目の山を降り、ラスト1つの山を残し、時計を見ると2時間40分経過。

ここで、セブンイレブン休憩。

自転車から降りると、さすがに私の大腿四頭筋は悲鳴を上げ始めている。

乳酸が、かなり溜まっているのが分かる。

10をMAXとすると7くらい溜まっているだろうか、真っ直ぐ歩くことができない。

エネルギー補給と水分補給。

最後の山へ向かう途中、以前から気になっていた山が目に入った。

”茶” の文字がある山である。

リバティーでジョギングをしている時も見える山であり、ず~~っと気になっていた。

そこから見たら、そんなに高く見えなかったので、「あの山の茶の文字の所まで行きたい。」と藤田さんに提案してみたら、あの山は粟ヶ岳という山で、自転車で良く登る山だと言う。

という事で、予定を変更して、粟ヶ岳に寄り道することになった。

Img_4137

しかし、しかし、これが、とんでもない山であった。

麓に行くと、山頂まで5キロという表示板があった。

ま・ま・まじ?5キロもあんの?

この5キロの傾斜が、私には半端なかった。

藤田さんの言った通り、多くの人がツーリングを楽しん?でいた。

山頂には、自転車置き場がある程だ。

___1

山頂は絶景であった。

___2

勝手に、茶の文字だけに、茶畑で作った文字だとばかり思っていたら、何と ”木”

であった。冷静に考えてみれば当たり前であるが・・・・・。 

___4

これがその文字の木である。

___3

さて、この山で、私の足は終わってしまったようだ。

足に全く力が入らない。

パワーが出ない。

.

心配した藤田さんが、

「最後の山は、一番きつくて一番長い山のコースです。行けますか?止めますか?」

「・・・・・・・・ゆっくりなら、行けるかもしれませんが、もう私の足の筋肉はパンパンです。」と正直に告げた。

そう言い終わると同時に、藤田さんは最後の山に向かって始動していた。

Img_4128

その山の1/3程まで登った頃、私の足が止まった。

正確には、メーターで時速6キロほどのスピードでしか走れなくなってしまった。

「大丈夫ですか?」

「筋肉のエネルギー95%が消費されたって感じです。」

「これからがきつくなるし、まだあと15キロ以上あるので、無理ですね。引き返しましょう。」

「・・・ちなみに藤田さんの筋肉はどうですか?」

「う~~ん、正直、まだフレッシュな状態です。」という返事。

まだ、全く筋肉痛がないということだ。

トレ班とツーリング班の違いを見せつけられた瞬間であった。

結局4.3個の山越えで終わった。

「あとは平地を選んで、ゆっくり帰りましょう。」

「すみません。」

.

悔しさ半分、ホッとした気持ち半分。

しばらく見知らぬ道を、藤田さんの背中を見ながら、ゆっくりとツーリング。

平地なら、残った力で何とかいけるだろう、と言うより帰る以外の選択肢はないのだ。

__ 

「もうすぐ大井川に着きます。」と藤田さん。

またもや、藤田さんの言葉を鵜呑みにし、最後の力を振り絞って頑張ってこぐ私。

しばらくして、信号停車すると、前方に掛川城が目に入った。

GARMINの時計を見ると、丁度100キロ経過を示していた。

「藤田さ~~ん、もう100キロ走っているし、掛川城が見えますけど・・・・」

「へへへへ・・・、ここまで来たら、もう帰ったと同じですよ。私の中では、掛川に来ると、ようやく帰って来たって感覚ですよ。」

「・・・・・・・・・・・マジっすか。」

トレ班の頭の中は、ツーリング班とは違うみたいだ。

結局、それから、お約束とばかり、一つの山を越え、正確には、一つプラス小山一つ、午後2時17分の帰宅となった。

約5.5の山越え、総時間7時間17分、走行距離129キロ。

.

これだけ長時間、連続して運動したのは、初めてである。

いい経験が出来ました。

もう暫く、自転車も山も見たくありません。